夢の木  
   
おじいさんは、土の上に横たわっていました。





おじいさんは、人間だったのでしょうか。
もしかしたら、誰かの作った人形だったのかもしれません。

おじいさんの帽子に、いつか、若木が芽吹きました。
そこに小鳥は舞い降りて繰り返し言うのです。

「・・・じいさんの眼になればいいのに・・・」

その名前は私には聞き取ることができませんでした。
ただ、おじいさんの目がずっと私を見つめているのです。
いつか、朽ち果てて、
そのまま土に還っていくのだと私は知っています。
だけど、その人が誰か思い出せないのです。

「・・・じいさんの眼になればいいのに・・・」

緑の森の奥で、小鳥は今日も歌っています。


2002.02.05  画・文 とりやまゆきこ
 
     

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